#74 株式を相続する際の手続
相続が発生したときにするべきこととして、「相続人の確定」と「相続財産の確定」があります
今回は、遺産に株式が含まれる場合の相続の手順や注意点について、簡単にご説明いたします
被相続人が株式を保有していたときには、以下のような手順で相続を進めていきます
(1)株式を特定する
まずは、被相続人が保有していた株式の銘柄や株数を特定しなければなりません
上場会社の株式を保有している場合には、取り扱っている証券会社に問い合わせて確認しましょう
非上場会社の株式を保有している場合には、その会社に問い合わせましょう
(2)株式の評価額を計算する
株式は相続税を算出する際には、金額に換算して相続財産に加えます
この計算方法は、上場会社と非上場会社とでは異なります
非上場会社の株価の計算方法は複雑ですので、税理士などの専門家に任せた方がよいでしょう
(3)株式をどのように分割するかを決定し、名義書換などを行う
株式を相続人でどのように分けるかを決めます
主な分け方としては次の3種類があげられます
●現物分割
株式そのものを分割する方法
●換価分割
株式を全て売却して換金し、お金を分割する方法
●代償分割
一部の相続人が株式を取得して、他の相続人はその代わりとして取得した者から現金等を受ける方法
上場株式の株券は法律により電子化されています
そのため、株を保有していることを相続人が把握できずに相続手続から漏れるケースもあります
被相続人が株式を所有していたかどうかを調べるには、
被相続人宛の郵便物の中に株主総会や株主優待の案内などがないか、カレンダーやハガキなどで証券会社名義のものはないか、通帳の明細に証券会社の名前が入っていないか、などを地道にチェックしましょう
この記事を担当した行政書士
行政書士法人いわみ会計事務所
代表
岩見 文吾
- 保有資格
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公認会計士・税理士・行政書士・FP
- 専門分野
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相続・会計
- 経歴
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行政書士法人いわみ会計事務所。大手監査法人での勤務を経て、2013年にいわみ会計事務所を開業。会計監査業務のみならず、相続に関しても年間200件近くの相談に対応するベテラン。その他、相続に関する多数のセミナー講師も引き受けている。