相続税の税務調査はどう行われる?
相続税を申告すると、申告期限から1~2年後にかなりの確率で税務調査が来ます。実際、税務調査はどのようにして行われるのでしょう。
今回は、税務調査の流れについて解説します。
税務調査とは、行政機関が納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがあれば是正を求める一連の調査です。
突然、税務調査官が自宅に訪れるわけではなく、あらかじめ「税務署です。○月×日に調査に行きたいのですが」というように電話がかかってきます。
ここで「わかりました」と即答せず、「税理士に確認して、折り返し連絡します」と言って、いったん電話を切ります。その際、以下の内容を必ず聞いておきましょう。
● 税務調査官の名前、所属部署(所属部署によって調査の意味合いが異なります)
● 税務調査の日時、日程(税務署の希望)
● 調査理由
● 用意すべきもの
税務署から電話がかかってきても、決して慌てないでください。そもそも税務申告をした税理士が「税務代理権限証書」を提出していれば、税理士がすべて対応してくれます。余裕を持って税務調査の日程を設定してくれるので、その間で準備とリハーサルを行いましょう。
<一見世間話のようなやり取りでも調査官の質問には意図がある>
相続税の税務調査に関しては、調査官からは主に次のようなことを質問されます。
● 被相続人について(出身地、被相続人の両親・兄弟姉妹、経歴、趣味など)
● 相続人について(職業、配偶者等親族関係、生前贈与の有無など)
● 被相続人の病状について(病状や経過、入院先や入院期間など)
● 経常収入や財産について(財産管理者、不動産権利書や預金通帳の保管場所、申告済金融機関以外の取引の有無など)
● 遺産分割協議について(遺産分割協議の状況、未分割の場合の各相続人の主張内容など)
● その他(相続人以外に財産の配分を要求する者の有無、海外資産の有無など)
一見世間話のようなやり取りであっても、調査官の質問には、一つ一つに意図があります。調査当日、極度にあがってしまい、余計なことを話してしまうと、税務調査官から誤解や指摘を受ける可能性があります。不用意な一言が致命傷にもなりかねないので、税理士から指導を受けておきましょう。
調査が終わると、修正申告、加算税、延滞税などの確認をして、指摘事項への対応を経て、完了します。
相続・贈与について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
この記事を担当した行政書士
行政書士法人いわみ会計事務所
代表
岩見 文吾
- 保有資格
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公認会計士・税理士・行政書士・FP
- 専門分野
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相続・会計
- 経歴
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行政書士法人いわみ会計事務所。大手監査法人での勤務を経て、2013年にいわみ会計事務所を開業。会計監査業務のみならず、相続に関しても年間200件近くの相談に対応するベテラン。その他、相続に関する多数のセミナー講師も引き受けている。