#89 未登記物件のデメリットと登記の手順
土地や建物を相続したら登記名義を故人から相続人に変更する必要があります
ところがいざ手続しようとしたらそもそも未登記不動産であることが判明した、というケースがあります
それでは未登記物件を相続した場合にどうすればよいでしょうか
今回は、未登記物件のデメリットと登記の手順を説明します
不動産を所有者名義で登記しない場合には、次のような弊害が想定されます
❶所有権その他不動産に関する権利を第三者に主張(対抗)できない
登記は『不動産に関する権利』を公示することによって、取引安全を保護する目的があります
もちろん登記がなければ取得したはずの権利が消滅するわけではありませんが、
二重売買などがなされた場合には、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に対して
登記なくして「この不動産に関するこの権利は私のものだ」と主張することができません
❷住宅ローンなどが組めない・売買できない
建物を建てるため住宅ローンを組もうとしても、家屋の保存登記(最初に行われる登記)がなされないままでは抵当権の設定登記をすることができません
(土地に抵当権を設定することはできますが)
抵当権が土地にのみ設定され家屋に設定されない(できない)場合に、他の一定の要件を満たす際には法定地上権が成立するなどのリスクもあるため、
そのようなリスクを負ってまで金融機関が融資を行うことはあまり想定されません
また、不動産を売却するときも、家屋が未登記では(売買後すぐに取り壊すことが予定されているものでもない限りは)買い手がつかないケースが大半でしょう
では、未登記物件を登記するときとしたらどうすればよいでしょうか
簡単にご説明します
まず未登記物件の登記は、「表題登記」(未登記物件について新規に行う登記)という手続が必要です
これを行うことにより、不動産の所在地や地番、所有者の名前や住所、建物であれば家屋番号などの情報が登記簿に登録されます
ちなみに不動産登記法では『所有権を得てから1カ月以内に表題登記の申請をしなければならない』と規定されています
表題登記を行うときには、事前に土地の面積を測量するなどの手続が必要です
この記事を担当した行政書士
行政書士法人いわみ会計事務所
代表
岩見 文吾
- 保有資格
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公認会計士・税理士・行政書士・FP
- 専門分野
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相続・会計
- 経歴
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行政書士法人いわみ会計事務所。大手監査法人での勤務を経て、2013年にいわみ会計事務所を開業。会計監査業務のみならず、相続に関しても年間200件近くの相談に対応するベテラン。その他、相続に関する多数のセミナー講師も引き受けている。